授業概要

本授業は前年度からの引継ぎ、視覚Ⅰ（基礎）、視覚Ⅱ（応用）の二つのセクションにて構成。

授業構成：「ビジュアルデザイン論」

区分	内容	学習目標
視覚Ⅰ（基礎）第1〜6回	デザインの定義・社会的役割・文化的差異	デザインを「関係」として理解する基礎形成
中間発表　第７回	前半の整理・意見共有	批評的視点の形成
視覚Ⅱ（応用）第8〜14回	現代のデザイン文脈と意味構造を理解する（メディア・企画・アイデンティティ・象徴など）	応用的・実践的な視点でデザインを考察
最終回　第１５回	総括と振り返り	客観的な理解の定着と自己の視点整理

各授業について。

第１回　視覚 Ⅰ（基礎）：デザイナーの役割（基礎知識）
概要	デザインの言葉の成り立ち（designare（デジナーレ）＝示す・計画する・構想する）や、さまざまなデザイナーや哲学者の思想を通し、デザインを定義する。そこから導かれるデザイナーの役割を考える。
学習目標	デザインの定義と概念的範囲を理解する「見た目」ではなく「関係」を設計する行為として捉えるデザイナーの役割と姿勢について知る
内容	Introduction（導入）：デザインとは何か - デザインの定義 Development（展開）：デザイナーの役割の変遷 - 姿勢としてのデザイン Example（例示）：事例で見る「関係のデザイン」 Application（応用）：現代デザインへの接続 Reflection / Link（総括 / 展望）：デザイン、デザイナーの役割とは
提出	レポート（Minute Paper）
有意義にするために	デザインの定義を意識し、自分の身の回りを観察する。形と中身の関係を考えてみる。

第１回　視覚 Ⅰ（基礎）：デザイナーの役割（基礎知識）

概要：

デザインという言葉の成り立ち（designare（デジナーレ）＝示す・計画する・構想する）や、さまざまなデザイナーや哲学者の思想を通し、デザインを定義。そのデザインの定義から導かれるデザイナーの役割を考える。

学習目標：

デザインの定義と概念的範囲を理解する
「見た目」ではなく「関係」を設計する行為として捉える
デザイナーの役割と姿勢について知る

内容：

Introduction（導入）：デザインとは何か - デザインの定義
Development（展開）：デザイナーの役割の変遷 - 姿勢としてのデザイン
Example（例示）：事例で見る「関係のデザイン」
Application（応用）：現代デザインへの接続
Reflection / Link（総括 / 展望）：デザイン、デザイナーの役割とは

提出：

レポート（Minute Paper）

有意義にするために：

デザインの定義を意識し、自分の身の回りのモノやコトを観察する。形と中身の関係を考えてみる。

第２回　視覚 Ⅰ（基礎）：デザインの機能や機関（制作・環境）

概要：

デザインがどのような機能を果たし、どのような環境（制作体制や制度、ツールやメディアの状況）の中で行われているのかを考える。社会的なシステムの一部としてのデザインを理解する。

学習目標：

デザインが社会や産業の中で果たす機能を理解する
デザインが行われる制作環境や制度的背景を把握する
制作プロセスを支える「機関」と「関係」の視点を持つ

内容：

Introduction：デザイン機能の多層性（美的／実用的／社会的）
Development：制作プロセスと体制（個人・チーム・組織）
Example：デザインスタジオ・企業・自治体などの事例
Application：デザイン環境と成果物の関係
Reflection / Link：デザインを支える「見えない構造」への視点

提出：

短い考察メモ（制作や環境におけるデザイン機能について）

有意義にするために：

「誰が」「どのような仕組みで」デザインを行っているのかを意識してみる。作品の背後にある体制や関係にも目を向ける。

第３回　視覚 Ⅰ（基礎）：社会共存（商品・開発）

概要
デザインを社会との関係性の中で捉える。商品やサービスの開発を通して、デザインがどのように社会に価値を提供し、人々の生活と共に存在しているのかを考察する。デザインを「共存の仕組み」として見つめる。

学習目標

デザインの社会的役割を理解する
商品やサービス開発におけるデザイン思考の基本を学ぶ
共存・共創の視点からデザインを捉える

内容：

Introduction：社会におけるデザインの立ち位置
Development：商品・サービス開発とデザインの関係
Example：ソーシャルデザイン、ユニバーサルデザイン、サービスデザインの事例
Application：デザインが社会課題を解決する構造
Link / Reflection：「共に生きる」ためのデザインとは

提出：

レポート（身近な商品・サービスを1つ選び、社会との関係性を考察する）

有意義にするために：

デザインを「ものを作る行為」ではなく、「社会との関係を編み直す行為」として捉えてみる。
商品やサービスの裏にある人々の生活や価値観を意識する。

第４回　視覚 Ⅰ（基礎）：効果（広告・表現）

概要
デザインの「伝える力」と「作用する力」を学ぶ。広告や広報などの事例を通じて、視覚表現がどのように人の意識や行動に影響を与えるのかを探る。表現を単なる装飾ではなく、社会との対話を生む仕組みとして捉える。

学習目標

視覚表現の役割と効果の構造を理解する
広告を通じてデザインの社会的影響を考える
表現を関係のデザインとして捉える視点を身につける

内容：

Introduction：デザインは何を「伝える」のか
Development：視覚表現と受け手の心理
Example：国内外の広告キャンペーン事例
Application：メッセージと形の関係を分析する
Link / Reflection：表現＝関係のデザインとしての広告

提出：

事例分析（印象に残る広告やデザインを1つ選び、効果と構造を分析する）

有意義にするために：

日常で目にする広告を「なぜそれが心に残るのか」という観点から見直してみる。言葉・形・構成の“関係性”を観察する。

第５回　視覚 Ⅰ（基礎）：宣伝（国内事例）

概要：

日本における広告・宣伝デザインの歴史と特徴を学ぶ。戦後の復興期から現代に至るまでの広告表現の変遷を通して、デザインが社会や文化とどのように結びついてきたかを考察する。「伝えるデザイン」から「共感をつくるデザイン」への変化を見つめる。

学習目標：

日本の広告・宣伝デザインの変遷を理解する
文化的背景や社会的状況とデザインの関係を学ぶ
時代ごとの表現やメッセージの特徴を読み取る

内容：

Introduction：日本における宣伝デザインの始まり
Development：戦後〜高度経済成長期の表現（コピーとグラフィックの関係）
Example：サントリー、日立、無印良品、資生堂などの事例分析
Application：社会の変化と広告の変化を対比してみる
Link / Reflection：デザインは社会の鏡である

提出：

レポート（任意の国内広告を選び、その時代性とメッセージを分析）

有意義にするために：

広告を「時代の表現」として見てみる。言葉やビジュアルの背後にある、その時代の空気や人々の価値観を感じ取る。

第６回　視覚 Ⅰ（基礎）：相違（海外事例）

概要：

海外の広告やグラフィックデザインの事例を通して、文化や社会構造の違いがデザインにどのように現れるかを学ぶ。日本の広告表現との比較から、デザインの「文脈依存性」と「普遍性」を考察する。デザインは文化の翻訳であり、メッセージの伝え方は社会の鏡であることを理解する。

学習目標：

海外における広告・グラフィック表現の多様性を知る
文化的背景とデザイン表現の関係を理解する
日本と海外の「伝え方」「見せ方」「価値観の置き方」の違いを考える

内容：

Introduction：デザインの普遍性と文化性
Development：デザインの背景にある社会的態度を読み取る
Example 1：欧米の広告表現（Apple, Nike, IKEA など）
Example 2：北欧やヨーロッパの社会的デザイン（環境・公共広告）
Example 3：グローバルキャンペーンにおけるローカライズ（Coca-Cola, UN campaigns）
Application：日本との違い──言葉よりも態度、説明よりも共感
Link / Reflection：デザインとは「文化を媒介する態度」である

提出：

レポート（海外の広告やデザインをひとつ選び、日本との違いを分析）

有意義にするために：

「美しい」や「うまい」よりも、「なぜそう表現したのか」を考える。そのデザインが生まれた社会背景──自由、個、共同体、環境、ジェンダー──
そこに表れている価値観を読み取ってみる。

第７回　プレゼンテーション：発表・演習（演習Ⅰ）

概要：

前半6回で学んだ基礎的概念を整理し、個々の視点からまとめ、発表する。

学習目標：

学びを整理し、言語化・共有する
他者との比較を通じて多様な視点を理解する
デザインを説明・伝達する力を身につける

内容：

Presentation：レポート・スライド発表（5〜7分）
Discussion：質疑応答・意見交換
Reflection / Link：学びの整理と再構築

提出：

プレゼン資料

有意義にするために：

他者の発表を通して、自分のデザイン観を客観視する。

第８回　視覚 Ⅱ（応用）：媒体（メディア）

概要：

メディアとは単なる情報の伝達手段ではなく、思考や文化のあり方そのものを形成する環境である。印刷物からデジタルメディア、SNS、インタラクティブメディアまでを横断的に俯瞰し、デザインとメディアの関係を理解する。「何を伝えるか」だけでなく「どのように伝わるか」を考える。

学習目標：

メディアの種類とその特性を理解する
デザインが情報の「内容」だけでなく「伝達の構造」に関わることを知る
メディア選択がメッセージの意味や受け手の解釈を変化させることを理解する

内容：

Introduction：メディアとは何か（Marshall McLuhan「The medium is the message」）
Development：印刷メディアからデジタルメディアへ──伝達の変遷
Example 1：雑誌・ポスター・ウェブサイト・SNSの比較
Example 2：メディアの特性を生かした表現（インタラクティブ広告・AR体験など）
Application：伝えたい内容に対して「どの媒体を選ぶか」を考える演習
Reflection：デザインとは「メディアを設計すること」である

提出：

簡易ワーク（任意のメッセージを異なる2つの媒体で表現し、意味の変化を考察）

有意義にするために：

メディアを「容れ物」としてではなく、「態度」や「環境」として考えてみる。
同じ言葉や画像でも、ポスター・雑誌・SNS・映像ではまったく異なる印象を生む。
デザインはその「伝わり方の差異」を設計する行為である。

第９回　視覚 Ⅱ（応用）：企画（イベント）

概要：

デザインは、モノをつくる行為だけでなく、「場」や「出来事」をつくる行為でもある。展覧会、インスタレーション、フェスティバル、ブランドイベントなど、体験を中心としたデザインの構成を学ぶ。「体験をデザインする」とは何か──企画、構成、演出という視点から考察する。

学習目標：

デザインにおける「体験」や「場」の構成を理解する
イベントや展示などの企画設計におけるデザイナーの役割を知る
「伝える」から「感じさせる」へのデザイン思考を体験的に理解する

内容：

Introduction：デザインの拡張──ものづくりからことづくりへ
Development：イベント・展覧会・ブランド体験などの構造
Example 1：無印良品の展示構成、teamLabの没入型空間、企業イベントなど
Example 2：アートとデザインの境界（パフォーマンス／空間演出）
Application： “体験をデザインする”──簡易なイベント企画構成のワーク
Reflection：デザインとは「出来事の時間を編集すること」

提出：

ワークシート（小規模イベント／展示／キャンペーンの企画案）

有意義にするために：

“デザインする”ことを「形をつくる」から「時間をつくる」に広げて考える。人がどのように動き、感じ、理解するかを想像する。空間・音・照明・導線──すべてがデザインの要素である。デザイナーは、体験の脚本家である。

第１０回　視覚 Ⅱ（応用）：存在（アイデンティティ）

概要：

ブランド、組織、個人──あらゆるデザインには「存在の理由」がある。ロゴやビジュアルアイデンティティ（VI）を中心に、デザインがどのように“存在を可視化する”のかを考察する。形の裏にある意味、見えない価値をどう伝えるか。その設計思想を学ぶ。

学習目標：

アイデンティティ・デザインの目的と役割を理解する
形と意味の関係性（シンボルと理念）を考える
「存在を表すデザイン」と「装飾としてのデザイン」の違いを見極める

内容：

Introduction： “Who are you?”──存在をデザインする問い
Development：ブランドの構造（理念・言葉・ビジュアル）
Example 1：企業／団体のロゴデザイン事例（Apple, UNIQLO, WWFなど）
Example 2：パーソナルアイデンティティ（ポートフォリオや自己ブランディング）
Application：自分や架空のブランドの「存在を言語化し、形にする」ワーク
Reflection：デザインとは「存在の証をかたちにすること」

提出：

ワーク（自分または任意の団体・ブランドの“存在 statement”＋ビジュアルの方向性スケッチ）

有意義にするために：

見た目を整える前に、「何を表したいのか」を言葉にしてみる。ロゴや色は、思想を伝えるための“形態化された哲学”である。デザインの本質は「表現」ではなく「存在の翻訳」にある。

第１１回　視覚 Ⅱ（応用）：相違（イメージ）

概要：

デザインは、情報や価値を視覚的に伝えるだけでなく、印象やイメージを構築する行為でもある。イメージがどのように社会的・文化的に形成されるのか、そしてその「違い」や「ズレ」をどのようにデザインできるかを考察する。イメージとは単なる見た目ではなく、認識をつくる装置である。

学習目標：

イメージがどのように社会的文脈の中で形成されるかを理解する
印象を操作するデザイン手法を知る
「差異」や「ズレ」を戦略的に活かすデザイン思考を身につける

内容：

Introduction： “イメージは現実をつくる”──認識のデザイン
Development：イメージの構造（視覚・記号・文脈）
Example 1：ブランドのイメージ戦略（ルイ・ヴィトン、サントリー、資生堂など）
Example 2：メディアとイメージの関係（広告、SNS、写真表現）
Application：「同じ内容を異なる印象で伝える」デザイン比較ワーク
Reflection：デザインとは「差異を設計する行為」である

提出：

ワーク（同一テーマの異なるビジュアル表現を2案制作し、印象の違いを言語化）

有意義にするために：

イメージは“見せるもの”ではなく“見られるもの”。それは常に受け手との関係で成り立っている。他者の視線を想像しながら、デザインが生む“印象のズレ”を意識する。差異こそが、個性であり、意味を生む原動力である。

第１２回　視覚 Ⅱ（応用）：対話（コミュニケーション）

概要：

デザインは、発信者のメッセージを届けるだけの手段ではなく、人と人、個と社会の間に生まれる「対話の場」である。グラフィック、広告、インタラクティブアート、ソーシャルデザインなど、対話を生むデザインの事例を通して、「伝達」から「共感」へと変化するコミュニケーションの構造を学ぶ。

学習目標：

コミュニケーションを「双方向のプロセス」として理解する
対話を促すデザインの仕組み（参加、共感、共有）を知る
デザインを社会的対話のプラットフォームとして考える

内容：

Introduction： “Communication = Common + Action”──共に行うこと
Development：一方向の伝達から、双方向の関係へ
Example 1：ソーシャルデザイン（人と社会をつなぐ試み）
Example 2：参加型アートやワークショップデザイン（例：ヨーゼフ・ボイス、アクティビズム的表現）
Example 3： SNSやデジタルメディアでの共感設計（UGC、拡散構造）
Application：「伝える」ではなく「話しかける」デザイン案を考える
Reflection：デザインとは「関係を媒介する対話行為」である

提出：

小レポート（「誰と、どのような対話を生むデザインか」をテーマに構想をまとめる）

有意義にするために：

「伝える」よりも「聴く」こと。デザインはメッセージを押し出す行為ではなく、相手との共通の場を設計する行為である。問いかけるポスター、参加できるインスタレーション、共感を生む言葉──すべてが“対話のデザイン”のかたちである。

第１３回　視覚 Ⅱ（応用）：訴求（アピール）

概要：

デザインは、情報を伝えるだけでなく、人の感情や行動を動かす力を持つ。広告やキャンペーン、社会的メッセージの事例を通して、「訴求力」を構成する要素──視覚的強度、物語、共感、信頼──を考察する。訴求とは、操作ではなく共感のデザインである。

学習目標：

訴求の構造（視覚的・心理的要素）を理解する
アピールの“倫理”と“効果”のバランスを考える
デザインを通じて人の行動や意識に変化をもたらす方法を学ぶ

内容：

Introduction： “Persuasion or Empathy?”──説得と共感のデザイン
Development：訴求の基本構造（視覚・言葉・感情・文脈）
Example 1：広告・キャンペーン（Apple「Think Different」／Nike「Just Do It」など）
Example 2：ソーシャルメッセージ広告（WWF、UNICEF、TVCM事例）
Example 3：非営利領域における訴求（啓発・共感・共創）
Application：メッセージを「押す」ではなく「届かせる」構成を考えるワーク
Reflection：デザインとは「人を動かす関係性の設計」である

提出：

ワーク（任意のテーマで「共感を生むビジュアル・メッセージ」を企画し、訴求要素を言語化）

有意義にするために：

“強いデザイン”とは、声が大きいことではない。共感の中に芯があり、静けさの中に力がある。そのメッセージが「誰に」「なぜ」届くのかを考え抜く。デザインは人を動かす技術であり、同時に人を敬う態度でもある。

第１４回　視覚 Ⅱ（応用）：象徴（シンボル）

概要：

象徴とは、単なるマークではなく、意味を内包した形である。社会や文化の中で共有され、時間を超えて機能する。形や色がどのようにして意味を持ち、人々の記憶や感情に影響を与えるのかを考える。企業ロゴや国旗、ピクトグラムなど、普遍的に理解される「象徴のデザイン」を通して、デザインが意味を伝える力を学ぶ。

学習目標：

象徴（シンボル）の概念と特徴を理解する
形や色が持つ意味と、その文化的背景を知る
象徴的デザインがどのように構築されるかを理解する
シンプルな形に込められた表現力を考える

内容：

Introduction：象徴とは何か
Development：形が意味を持つプロセス
Example：象徴のデザイン分析
Application：現代の象徴的デザイン
Link / Reflection：形の背後にある意味

提出：

「自分にとって象徴的な形とは何か」身近なマークや形を選び、その意味や背景を分析してまとめる。

有意義にするために：

日常の中にある象徴的な形や記号を観察してみる。それがなぜ記憶に残るのか、どのように意味がつくられているのかを考える。形と意味の関係を意識することで、デザインの深さを理解できる。

第１５回　プレゼンテーション：発表・演習（演習 Ⅱ）

概要：

これまで学んできた「視覚Ⅰ（基礎）」と「視覚Ⅱ（応用）」の内容をふまえ、自分なりの視点でデザインを分析・構築し、発表する回である。デザインとは何か、デザイナーの役割とは何か、という根本に立ち返り、自分の考えを整理し、他者に伝えることを目的とする。発表を通じて、デザインを「関係の創造」として再確認する。

学習目標：

これまでの学びを整理し、自分の言葉で説明できるようにする
デザインの考え方を他者に伝える表現力を養う
他者の発表を通して多様な視点を理解する
「関係としてのデザイン」を再考する

内容：

Presentation：最終発表（10分）
Discussion：質疑・講評
Reflection：学びの振り返り

提出：

「デザインとは関係である」授業を通して見えてきた自分なりのデザイン観をまとめる。

有意義にするために：

発表は評価のためだけではなく、自分の考えを整理し、他者と共有する場である。他者の発表を通じて、自分にはない視点や価値観を受け取ることも大切にする。デザインを通じて「関係をつくる」ことの意味を、最後にもう一度考えてみる。

参考文献

John Dewey, Art as Experience, 1934 （ジョンデューイ (著), 栗田修 (翻訳)：経験としての芸術, 晃洋書房, 2010）
Bruno Munari, Design e comunicazione visiva, Laterza, 1968 （ブルーノ・ムナーリ（著）, 菅野有美（訳）：デザインとヴィジュアル・コミュニケーション, みすず書房, 2006）
Michael Kroger (ed.), Paul Rand: A Designer's Words, Princeton Architectural Press, 1996 （マイケル・クローガー (編), 和田美樹 (翻訳)：[新版]ポール・ランド、デザインの授業, ビー・エヌ・エヌ新社, 2020）
Paul Rand, A Designer's Art, Yale University Press, 1985 （ポール・ランド (著), 手嶋由美子 (翻訳)：ポール・ランドデザイナーの芸術, ビー・エヌ・エヌ新社, 2017）
Alice Rawsthorn, Design as an Attitude, J.P. Ringier, 2018 （アリス・ローソーン (著), 石原薫 (翻訳)：姿勢としてのデザイン, フィルムアート社, 2019）
Armin Hofmann, Graphic Design Manual: Principles and Practice, Verlag Niggli, 1965 （アーミン・ホフマン (著), 古賀稔章 (翻訳)：グラフィックデザインマニュアル理論と実践, ビー・エヌ・エヌ新社, 2025 (復刊版)）
Josef Müller-Brockmann, Grid Systems in Graphic Design / Rastersysteme für die visuelle Gestaltung, Verlag Niggli, 1981 （ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン (著), 古賀稔章 (翻訳)：グリッドシステムグラフィックデザインのために, ボーンデジタル, 2019）
L. Bruce Archer, Systematic Method for Designers, Council of Industrial Design, H.M.S.O., 1965

経験としての芸術（John Dewey）
デザインとヴィジュアル・コミュニケーション（Bruno Munari）
ポール・ランド、デザインの授業（Michael Kroger, Paul Rand）
Paul Rand: A Designer's Art（Paul Rand）
Design as an Attitude 姿勢としてのデザイン（Alice Rawsthorn）
グラフィックデザインマニュアル理論と実践（Armin Hofmann）
Grid Systems in Graphic Design（Josef Müller-Brockmann）

エッセイ（柳宗理）
塑する思考（佐藤卓）
デザインの輪郭（深澤直人）
ある広告人の告白（David Ogilvy）
「売る」広告（David Ogilvy）
形態は感情に従う（Hartmut Esslinger）

第２回　視覚 Ⅰ（基礎）：デザインの機能や機関（制作・環境）
目的	デザインがどのように社会システム内で機能するかを理解する。
内容	デザインと産業構造：依頼、制作、評価機能主義と感性主義環境デザイン・サステナビリティとの接点
提出	レポート（Minute Paper）

第３回　視覚 Ⅰ（基礎）：社会共存（商品・開発）
目的	デザインが社会や生活とどのように関わるかを考察。
内容	デザインと社会課題（環境・地域・公共性）商品開発におけるデザインの役割「共感」や「共存」を生むデザインの条件
提出	レポート（Minute Paper）

第４回　視覚 Ⅰ（基礎）：効果（広告・表現）
目的	視覚表現がもたらす心理的・社会的な「効果」を理解する。
内容	視覚心理（色彩・構図・フォーカルポイント）広告と感情誘発認知科学から見る「見る」行為
提出	レポート（Minute Paper）

第５回　視覚 Ⅰ（基礎）：宣伝（国内事例）
目的	日本のデザイン言語・広告文化を体系的に理解する。
内容	日本的ミニマリズムと「余白の文化」グラフィック、広告、ブランディングの国内事例国内広告史の流れ
提出	レポート（Minute Paper）

第６回　視覚 Ⅰ（基礎）：相違（海外事例）
目的	異文化におけるビジュアルの差異を比較し、文化的背景を理解する。
内容	欧米・アジアのビジュアル言語比較デザインにおける文化的文脈と価値観グローバルブランドのローカライズ
提出	レポート（Minute Paper）

第７回　プレゼンテーション：発表・演習（演習 Ⅰ）
目的	前半内容を踏まえて自分の観察を発表。
内容	各自による事例選定と意見共有（3〜5分程度）教員講評・ディスカッション
ポイント	自分の見方を言語化し、他者の視点と比較する。
提出	レポート（Minute Paper）

第８回　視覚 Ⅱ（応用）：媒体（メディア）
目的	メディアの違いがデザイン表現に与える影響を理解する。
内容	紙媒体 vs デジタル媒体 SNS・動画・体験型広告の特徴情報設計と視覚構成
提出	レポート（Minute Paper）

第９回　視覚 Ⅱ（応用）：企画（イベント）
目的	デザインを「場づくり」「経験設計」として捉える。
内容	展示・イベントにおけるグラフィックの役割空間・動線・体験の視覚構成プロモーションデザインの統合的思考
提出	レポート（Minute Paper）

第１０回　視覚 Ⅱ（応用）：存在（アイデンティティ）
目的	ブランドや個人の「存在」を視覚でどう表現するかを学ぶ。
内容	CI/VI/BIデザインの考え方ロゴ・トーン・一貫性ブランドストーリーテリング
提出	レポート（Minute Paper）

第１１回　視覚 Ⅱ（応用）：相違（イメージ）
目的	イメージや印象を生み出す構造を理解する。
内容	イメージと記号、印象と意味スタイルとコンセプトの関係セミオティクス的分析の導入
事例	ポスターの印象比較（写真中心 vs タイポ中心）
提出	レポート（Minute Paper）

第１２回　視覚 Ⅱ（応用）：対話（コミュニケーション）
目的	デザインを「他者との対話」として理解する。
内容	情報伝達と感情伝達インタラクションデザインの基礎見る人と作り手の関係性
事例	SNSでのビジュアルコミュニケーション分析
提出	レポート（Minute Paper）

第１３回　視覚 Ⅱ（応用）：訴求（アピール）
目的	視覚的メッセージの説得力と構成原理を理解する。
内容	伝達デザインの要素：ターゲット・メッセージ・構成訴求力のあるデザインの共通点デザインにおける「語り」と「印象」
事例	政治広告／キャンペーンビジュアル比較
提出	レポート（Minute Paper）

第１４回　視覚 Ⅱ（応用）：象徴（シンボル）
目的	抽象性・象徴性が生み出す意味と力を考察する。
内容	シンボルとメタファー国旗・ロゴ・ピクトグラムの分析抽象と記号の関係
事例	東京オリンピックエンブレム、ナショナルブランド比較
提出	レポート（Minute Paper）

第１５回　プレゼンテーション：発表・演習（演習 Ⅱ）
目的	総括として、自身が理解した「デザイン観」を共有する。
内容	各自のレポート・考察の発表（または提出）教員講評・全体振り返り
ポイント	自分の言葉で「デザインをどう見るか」を表現する。
提出	レポート（Minute Paper）

Resources